HSBC香港 詐欺にあってしまいました助けてください!

詐欺にあってしまいました、どうしたら良いでしょうか?

ご連絡いただいた第一声がこんな悲痛な叫びでした。

ご相談者は中部地方にお住まいなのですが、
簡単に要点だけまとめると
『北海道△△の〇〇ですが、●●さんの銀行口座が国際的犯罪に巻き込まれた疑いがあるため
貴方のクレジットカードとキャッシュカードと暗証番号を至急送ってください。
問題が解決しましたら全てそのままの状態でお返しします。』
といわれ、これは大変だ!と思い送ってしまったのだとか。

こうした特殊詐欺が社会問題になっているというのは知ってはいましたが、
わたし自身、被害にあわれた方から直接お話を聞くのは初めてでしたので
非常に申し訳ないのですが、
心の中で『本当に居るのか』と思わずつぶやいていました。

ご自身が詐欺被害にあっていると自覚したのは、
本物の警察からの連絡によるものであったようで
既に銀行口座の現金は引き出されており、
クレジットカードは利用されていなかったという事でした。

ただ問題なのは、弊社にご連絡いただいていることからお分かりのように
この方はHSBCの口座を保有されており、
HSBCのATMカードも6桁のPINも教えてしまっているという事。
気が動転している状況下にあって、
以前アプリの設定や送金等のサポート依頼をした弊社を思い出し助けを求められたというわけです。

とにかく急いで!

その詐欺グループがどれだけ海外銀行の知識を持っているか分かりませんが、
ATMカードもPIN番号もわかっているわけですから、
既にコンビニ等で引き出されているかもしれません。
当のご本人はというとパニック状態にある事から
インターネットバンキングにログインして云々かんぬんというところまで頭が回りません。

急ぐ気持ちは理解できるものの、先ずは落ち着いてもらわないといけませんので、

重要・一回当たりの引出し額はATMによって3、5、10万円であること。
・一日に引出しができる金額が決まっていること。
・一日に連続して3回4回と引出しをするとロックがかかること。
・そもそも、HKDsavingsに入っていなければ引き出しができないこと。

を説明しました。

以前サポートのご依頼をいただいてはいるものの、
お名前やメルアド、住所、電話番号とどのようなサポートを行ったか
といった情報は残していますが、
口座に関する情報はセキュリティ上、一切残さないようにしているため
大至急カードを使って引き出しができないようにしなければいけませんので、
インターネットバンキングのログイン情報が分かるかを確認。

幸いなことに、ユーザネームとパスワードのメモがすぐわかるところにあったため
インターネットバンキングにログインしてもらいサポートを行おうと思いましたが
近くにパソコンが無くスマホで自分で操作するのが心配だという事から
緊急事態という事もあって私のパソコンでログインさせていただくことにしました。

今やるべきことは一つ!

【HKDsavingsにある資金をUSDsavingsに両替する】

ユーザネーム、パスワードをお聞きしてスマホに届いた認証コードを教えてもらい
無事お金を両替することができました。
両替する際に直近で引出しがされていないことも確認済みです。

まだ完全解決とはいきませんが、
HSBCの資金を守るという点では一安心です。

ここまで終えたところで、再度警察から電話がかかってきたという事で
今後必要となる作業内容はメールにてご案内するとしてひとまず終了。

なお、本来弊社のサポートは事前に費用のご決済をいただいています。
とはいえ今回は、
・クレジットカードをすべて使用不能にしてある
・銀行口座の預金は引き出されてしまった
・手持ちの現金もそこまで多くは無い(当面の生活費)
という事に加えて、これまで3回サポートをご依頼いただいていることもあり
今回は特別にすべての作業が済んだ後にHSBCから送金していただくこととしました。

この後の作業としては、
・ATMカードの再発行
・ATMカードPINの再発行
・以前設定したスマホはもう使用していないのでアプリの乗換
そして最後に、
・HSBCからの送金
となります。


今回のご相談を受けて、
近年の国内における 警察庁 が公表している
「特殊詐欺(非対面の手口で金銭等をだまし取る犯罪)の被害額」
について、ちょっと調べてみました。

年度 認知件数 被害額
2022年 約17,520件(暫定値) (消費者庁) 約361.4億円 (消費者庁)
2023年 19,038件 (警察庁) 約 452.6億円 (警察庁)
2024年 21,043件 (Nippon) 約 717.6億円 (Nippon)
  • 2023年の統計で、「オレオレ詐欺/預貯金詐欺/キャッシュカード詐欺盗」の3類型をまとめた
    「オレオレ型特殊詐欺」の被害額:約 201.8 億円。 

    • 「オレオレ詐欺」被害額:約 133.5 億円

    • 「預貯金詐欺」被害額:約 38.5 億円(+33.1%増)

    • 「キャッシュカード詐欺盗」被害額:約 29.8 億円(-36.4%減)

  • 同じく2023年で、「架空料金請求詐欺」の被害額:約 140.4 億円(+37.9%増)

  • 2024年公表資料によると、振込・インターネットバンキングを使った被害が大きく、
    振込型のうち「インターネットバンキング利用」の被害額が約 562.8 億円に達しており、
    振込全体被害額に対して73.7%を占めている。 

このように、手口別では「架空料金請求詐欺」「預貯金詐欺」「インターネットバンキング振込型」
が増加傾向にあり、「オレオレ型」でも被害額は高水準です。


年齢層・被害者特徴

  • 被害者年齢層では、65 歳以上の高齢者が大半を占めており、
    県警データ(2024年中確定値)では「被害者全体のうち65歳以上のかたが82.8%」という報告があります。

  • また、2025年7月末時点では、「被害額1件あたり」の年齢別データがあり、
    80代が1件平均約300.4万円と最多、次いで60代が約135.0万円、40代が約132.3万円という数字が出ています。

  • 年齢別の交付形態・被害傾向としても、「70代以上が全体の約7割を占める」「女性が被害に遭う割合が高い」という分析があります。

 したがって、年齢側面から言うと「高齢者」が主たる被害者であり、1件あたり被害金額も年齢が上がるほど高くなる傾向があります。
今回のご相談者は60代の女性でした。

🎯 都道府県別データ

  • 2024年中の都道府県別認知件数(被害額までは全県分非公開)で、多い順として:

    1. 東京都:35,715件 

    2. 埼玉県:17,561件 

    3. 愛知県:13,016件 

    4. 大阪府:11,838件 

    5. 千葉県:10,993件 

    6. 兵庫県:9,004件

 

📊 備考・平均金額の推移

  • 過去推移として、被害総額/実質被害総額は平成16年頃から増加傾向にあり、
    2020年時点で約211万円/件(1件あたり平均)というデータがありました。

  • 2024年時点では1件あたり平均が約349.7万円と、かなり金額が上がってきていることが確認できます。

 


調べてみて改めて驚きましたが、
様々なメディアで注意喚起されているにもかかわらず
年々増加傾向にありこれだけの被害が出ているという事なんですね。

とにかく今回ご相談いただいた方は、
国内預金に大きな損害が発生してしまったものの
海外の預金は難を逃れたという事で
かなり気落ちされており自暴自棄になっている感もありましたが、
HSBCに関しての懸念が解消されたことで多少落ち着きを取り戻せたとのことでした。

多少なりともお役に立ててうれしい限りです。

HSBCに限らず海外投資でお困りになられている場合には、
一度お気軽にご相談ください。

 

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