今日は趣向を変えて、先日HSBCから送られて来た為替に関する資料をご紹介します。
いつもの私個人の主観ではなく、
あくまでもHSBC香港が発行したコラムである事をご理解の上でお読みください。
私の思い込みたっぷりの解説ではなく、
たまにはこうしたものも面白いかな?と思った次第です。
【為替コラム】
ドル独歩高の終焉と、新しい通貨秩序のはじまり
2024~2025年の為替市場は、米ドルを中心に世界が揺れ動いた年でした。しかし、世界最大級の金融機関・HSBCが発表した最新レポートでは、市場のトレンドが大きく変わりつつあることが示されています。
「ドル安フェーズへの移行」
これは一時的な揺り戻しではありません。背景にあるのは、米国の金融政策とグローバルマネーの動き方そのものの変化です。
◆ ドルの一強時代が終わる理由
ドル安が進行する背景として、次の3つが挙げられます。
- FRB(米連邦準備制度)の利下げ方向への転換
 - 米国の政治・財政リスクの顕在化
 - 他国との金利差縮小によるドル優位性の低下
 
高金利がドルの強さを支えていましたが、利下げによりその前提が崩れます。
「ドルを買わせていた理由が、ドルを手放す理由へと変化している」
◆ 日本円:戻る。ただし急激ではない
歴史的円安からの反発局面に入っていますが、その過程は滑らかではありません。
HSBC予測(USD/JPY):
| 時期 | ドル円予測 | 
|---|---|
| 2025年末 | 148 | 
| 2026年1Q | 144 | 
| 2026年半ば | 142 | 
ただし、日銀の政策・政治リスクにより、円高は「ジグザグでゆっくり」と進むとみられています。
勢いで戻るのではなく、必然として戻っていく。
◆ 勝つ通貨と負ける通貨がはっきりしてくる
上昇が期待される通貨
- ユーロ(EUR)▶ FRB利下げ → 金利差縮小
 - 豪ドル(AUD)▶ 豪州は利下げに慎重 → 金利差が追い風
 - スイスフラン(CHF)▶ 経常黒字+安全通貨
 
リスクが残る通貨
- ポンド(GBP)▶ 財政政策の不透明さ
 - NZドル(NZD)▶ 中央銀行が利下げ姿勢で短期弱含み
 
ドル安=全通貨高ではない。
「通貨の選別」が始まる。
◆ 投資家が取るべき戦略
ドルの一強トレンドが終わるなら、投資戦略も変化が必要です。
- ドル資産の比率が高い人はヘッジ検討
 - 通貨分散=リスク分散+リターン最大化
 - 中期目線では円・ユーロ・豪ドルが戦略上有利
 
ドルの強さに依存しない投資家が、次の勝者となる。
◆ 結論:為替は「方向」ではなく「構造」を読む
為替は感情では動きません。動かしているのは、政策・資金・金利の力学です。
いま私たちは、ドル高時代の出口に立ち会っています。
『どこへ向かうか』より、
『なぜそこへ向かうのか』を理解した者が勝つ。
※本記事はHSBCの最新レポートを参考に執筆しています。
市場状況は変動しますので、投資判断は自己責任にてお願いします。
個人的な見解としては、まだドルは不安定な動きを見せるとは思いますが
なんだかんだ他通貨も多くのリスクをはらんでいますので、
結局のところドルに落ち着くものだと考えています。
USDJPY

ドルインデックス

とはいえリスク分散は重要です。
米ドルだけにとらわれず、豪ドル、カナダドル、ポンドなどといった通貨での分散投資は必要な時代かもしれません。