マーケット情報 年明け早々新たな懸念材料が

【2026年マーケット展望】地政学リスク増加で「原油・金・為替」が先に動く|株式は“時間差”に注意

2026年のマーケットは年初から「材料が増え過ぎている」印象です。
ウクライナ情勢では停戦・和平に向けた議論が続く一方で、別軸の地政学リスクとして米国によるベネズエラへの軍事行動が報じられました。
こうしたニュースは、株式だけでなく、コモディティ(原油・金銀)為替(ドル円)金利見通しにも波及しやすく、資産間の“温度差”が出やすい局面です。

この記事の要点
・地政学リスクは原油・金(GOLD)・銀(SILVER)・為替が先に反応しやすい
・株式は崩れて見えなくても“時間差”で巻き込まれることがある
・指数よりも転換点(チャートの節目)の確認が重要

新たな懸念材料:ウクライナ進展の一方で、ベネズエラがリスク要因に

ウクライナ問題に進展がある中、米政権のベネズエラ攻撃という新たな懸念材料

ウクライナを巡っては、米国主導の和平案に関する協議が続いていることが報じられており、
「出口(合意形成)に向けた議論が前に進むのでは」という期待が生まれやすい環境でした。
しかし、そうした“前向き材料”と同時に、米国がベネズエラに対して軍事攻撃を実施し、
マドゥロ大統領を拘束したと伝えられたことで、地政学リスクが新たに上乗せされることになりました。

さらに国連安保理でも緊急会合が開かれ、各国から強い非難が出たとの報道もあり、
外交・制裁・資源面での不確実性が高まりやすい状況です。
マーケット目線で重要なのは、「衝突そのもの」だけではなく、次の二次波及です。

  • 資源(特にエネルギー)への連想原油や関連株の値動きが荒くなりやすい
  • リスク・プレミアムの上昇クレジットや新興国資産のスプレッド拡大につながりやすい
  • ニュース主導の短期変動ヘッドラインで短期筋の巻き戻しが起こりやすい

年初はポジションが軽くなりやすい反面、“薄いところ”にニュースが刺さると値が飛びやすい点に注意が必要です。

原油(OIL)


原油(OIL)チャート:地政学リスク局面での値動き


GOLDが再上昇、さらにSILVERが再加速:安全資産と需給テーマ

金(GOLD)は一般にリスク資産というより「リスク回避・ヘッジ需要が入りやすい資産」として買われやすい側面があります。
今回のように地政学リスクが増える局面では、通常であれば現金・ドル・米国債と並び、金に資金が向かいやすい状況になります。

年初の貴金属市場では、利下げ観測や安全資産需要を背景に、金・銀が堅調にスタートしたとの報道が出ています。
特に銀(SILVER)は、貴金属としての顔に加え工業用途も持つため、需給やテーマ(供給制約、在庫、産業需要など)で
トレンドが加速しやすい点が特徴です。

チャートで見るべきポイント

  • 上昇が「急騰→押し目→再加速」の形か(健全な上昇トレンドか)
  • 直近高値の更新が“ヒゲ”で終わっていないか(過熱感のサイン)
  • 金と銀の強弱(銀が強すぎる局面はボラ拡大になりやすい)

GOLD(ゴールド)


GOLD(ゴールド)チャート:地政学リスクと金価格の関係

SILVER(シルバー)


SILVER(シルバー)チャート:銀の上昇とボラティリティ


株式市場は落ち着いた動き:ただし“時間差”に注意

今回の特徴は、ヘッドラインの強さの割に、株式市場が「全面的なリスクオフ」に傾いたというより、
相対的に落ち着いた値動きになっている点です。
このパターンは、マーケットが衝突を好感しているわけではなく、
株式は企業業績・金利見通し・需給で支えられつつ、別のところ(貴金属や為替)でヘッジが積まれている
ときに起こりがちです。

つまり、「株が崩れていないから安心!」ではなく、次のような“時間差”が出やすい局面だということです。

  • 株は堅調でも、為替が先に動く
  • 指数は静かでも、セクターや個別のボラは上がる
  • “次の材料”が出た瞬間に、株も巻き込まれる時間差

チャートで見るべきポイント

  • 主要指数が高値圏での持ち合いか、上値を切り上げているか
  • ナスダック100が強いままか(グロース優位が継続か)
  • 日経平均が円安頼みになっていないか(為替変動に対する耐性)

NYダウ


NYダウチャート:株式市場のトレンド確認

ナスダック100


ナスダック100チャート:グロース優位の継続確認

S&P500


S&P500チャート:主要指数の節目

日経平均


日経平均チャート:円安耐性と指数の持続性


為替動向に注意:ドル反転の兆しと、円の弱さ

ドルインデックスは下落傾向だが、反転の気配

ドルは2025年に大きく下げた流れを引きずりつつも、「ドルが持ち直す場面がある」とも報じられており、
今回の騒動にあってもドル安一本調子ではなくなりつつあります。
本来リスク局面では、ドルは安全通貨として買い戻されることもあるため、
ドルインデックスの反転サイン=他資産の値動きにも波及しやすい点に注意が必要です。

円インデックスは弱く、底割れ(サポート割れ)リスク

一方で円は弱含みが続いており、政策・金利差・リスク選好の影響を受けやすい状況です。
円が弱いまま進むと日本株には追い風になりやすい反面、
輸入コストやインフレ、企業の原材料価格など別の歪みも生まれます。
逆に、何らかのきっかけで円が急反発すると、株式やコモディティに“逆流”が起きることもあるため、
「円が弱いから放置」ではなく、急変に備えることが重要です。

チャートで見るべきポイント

  • ドルインデックスが下落トレンド内の戻りか、トレンド転換か
  • 円インデックスのサポート割れ(底割れ)兆候が出ていないか
  • ドル円がイベントで跳ねた際、押し戻されるのか定着するのか

ドルインデックス(DXY)


ドルインデックス(DXY)チャート:反転サインの確認

円インデックス


円インデックスチャート:底割れリスクの確認

ドル円(USD/JPY)


ドル円(USD/JPY)チャート:イベント後の定着・反落を確認


まとめ:指数の見た目より「原油・金・為替」の転換点を重視

年明けは、ウクライナの協議進展という“前向き材料”が意識される一方で、
米国のベネズエラ軍事行動という“新たな懸念材料”が加わり、市場が落ち着ききれないスタートになっています。
足元では株式は比較的落ち着き、貴金属が強含むなど、資金が「全面撤退」ではなく
「選別しながらヘッジ」に向かっている印象です。
こういう局面ほど、指数の見た目以上に、為替やコモディティの変動が次の波を作りやすいため、
チャートで“転換点”の有無を丁寧に確認しながら行動していきたいところです。

※本記事は一般的な情報提供であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。

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