この間ずっと円安について触れてきましたが、
それ以上にかなり状況がよろしくないのは英国ポンドです。
2016年に欧州連合から離脱する国民投票(ブレグジット)で賛成多数になったことによって
下落が始まったポンドですが、
今回は経済成長を促す目的で1972年以来となる大規模な減税案を発表しました。
内容は、
・個人の所得税と法人税の両方を引き下げ
・不動産購入にかかる印紙税を削減
・銀行員の賞与制限撤廃
など、
そしてさらに、ロシア問題で高騰する光熱費に対し今後6か月間で、
600億ポンド約10兆円の支援を発表したことによって
イギリスのデフォルト懸念が広がり急激なポンド売りが進み対ドルで、
1.035台と史上最安値まで下落することになりました。
これまでの最安値は1985年2月に記録した1.054ドル。
ポンドドル日足
あまりにも急激な下落だったために現在は少し切り返してはいますが、
この減税案を撤回しない限りは下落が続くだろうとの見方が多いようです。
このままだと、
ユーロ同様にドルとボンドが1:1のパリティになり、
パリティ割れをおこす日も近いという事でしょう。
また、イタリアのドラギ内閣が事実上崩壊したことによる
総選挙が行われるという事でユーロも下落をしている状況です。
ユーロドル日足
そして、
先週24年ぶりとなる円買い介入を行ったドル円はというと、
ドル円日足チャート
介入により140円台まで下落したわけですが、
現在は144円まで戻ってしまっています。
今後も継続して監視を行い、投機的な動きがみられるようであれば、
介入を行っていくという発言があったわけですが、
その影響はわずかなものであると思います。
何せ、円買い介入を行うという事は外貨のストックが必要となるわけで、
円売り介入とは違ってそうそう何度もできるわけがありません。
さらに、そもそも単独での介入は意味をなさず
万が一、アメリカに為替操作国のレッテルを張られれば、
より大きな円売りを浴びることになり、
そうなるともう円安を止めることが出来なくなるというわけです。
なので、介入をやるとしても次は150円を目指すようなところでは無いかと思います。
そして最後に、
ドル指数を見ておきましょう。
ドルインデックス週足チャート
これを見ると120まではいきそうですので、
まだこの流れは当面続きそうですね。
コメント