海外商品の基礎知識 共有名義のデメリット。契約者死亡時の例

私たちがサポートをしているフレンズプロビデントやRL360等といった
海外の証券の場合には、
名義を一人ではなく複数名設定することができます。

ちなみに、契約時は単独名義になっていたとしても
後から共有名義に変更したり、
逆に契約時には共有名義だった場合にも
証券発行後に単独名義に変更することが可能です。

とにかく日本では馴染みのない制度なので、
簡単に仕組みを説明しておきます。

契約者が一人だった場合には、
その人が万が一お亡くなりになってしまった場合
契約している証券は終了となります。

しかし、契約者が二人いる場合には、
片方の契約者がお亡くなりになったとしても
もう片方の方がご存命であれば、
その証券は終了とはならずに残られた方の単独名義として
継続されることになります。

そして、少しわかりにくいかもしれませんが、
以前のブログでFPIやRLの証券には
WL(ホールライフ)CR(キャピタルリデンプション)
という種類があるとお伝えしたとおり
WLとCRとではご契約者がお亡くなりになった場合の
取り扱いが異なります。

これも簡単に説明しておくと、
WLは保険機能が付いているために契約者がお亡くなりになった場合は、
無くなったことを証明する手続きを行った時の時価総額に対して
1%の保険が上乗せされて受益者の方へ保険金が渡されます。
一方で、CRはというと保険機能が付いていないために
契約者が契約期間中にお亡くなりになってしまうと、
早期解約手数料が差し引かれて受取人に支払われることになります。

という事から、
CRバージョンを契約している方の場合、
共有名義にされる傾向が強いという特徴があります。

何故なら、ご説明したようにどちらかの方がお無く名になってしまったとしても
残られた方がいる場合には証券は継続されるために
早期解約手数料が取られて終了!という事が無くなるためです。

では、全員共有名義にしてしまえば良いだろう!

と思うかもしれませんが
これがそうでもない、というのが今回の内容です。

共有名義の注意点

まず共有名義にした場合の前提条件として、
どのような手続きを行うにしても
名義人全てのサインが必要になります。

例えば、
・引っ越しをした場合の住所変更
・積み立てに使用しているクレジットカードの変更
・メールアドレスの変更
・積み立てている中からの一部引出
・身分証明のアップデート
・積み立て金額の変更
・積み立ての一時停止
・満期時の解約

などなどです。

 

そして今回何故わざわざこんな注意喚起を行ったかというと
下記の手続き依頼がありました。

 

(チェック)拝啓、
始めてご連絡させていただきます。
鈴木 太郎(仮名)の姉の山田 花子(仮名)と申します。
実は先月、太郎が他界し遺品整理をしていたところ
御社の連絡先と共に英文の書類が出てきました。
私自身高齢という事もあり、
どのようなものか分からずご連絡させていただきました。
お忙しいところ申し訳ありませんが、
何か分かればお知らせいただけますでしょうか?
何卒よろしくお願い申し上げます。

ご連絡いただいた後、何度もやり取りを行った結果
私たちがサポートをさせていただいていた方だという事が判明し、
さらに契約している証券は、
WLバージョンで外国籍の事実婚の方(今後はAさん)との共有名義であることがわかりました。

おさらいクイズです!
そうなるとこの証券はどうなるのでしょう?

・ご連絡いただいた山田花子さんが死亡手続きを行って保険金を受け取る
・ご連絡いただいた山田花子さんが解約手続きを行って解約返戻金を受け取る
・Aさんが死亡手続きを行って保険金を受け取る

・Aさんが手続きを行い、単独名義に変更してから好きにできる

 

簡単でしたね。

そうです、
・Aさんが手続きを行い、単独名義に変更してから好きにできる
こちらが正解!

なので、結論としてはせっかくご連絡いただいた山田さんは何もすることができず
さらには支払いは全て鈴木太郎さんが行っており
共有名義として登録されているAさんは一切積立を行っていなかったにもかかわらず
自分のものになるという事です。

ただ、今回の場合は、
Aさんは何年も前から行方が分からないという事で
単独名義にすることすらできない状況でした。
そのような状況だという事で、
色々と調査を行った結果、
山田さんも保険金を受け取れる可能性があることが判明しました。

その方法とは、
警察に捜索願を提出し捜査をしてもらう。
操作をした結果、居場所が分からないという証明書が発行されれば
山田さんと鈴木さんの関係を証明できる書類(戸籍謄本)や
死亡診断書を用意して死亡手続きが行えるとのこと。

ただし、居場所が分からないという証明がいつ発行されるのかは
正直分からず、
少なくとも5年くらいはかかるのではないかという事でした。。。

 

ということで、
教訓!

共有名義にするメリットはあるが、
名義に加える人は慎重に選ぶ必要があるという事です。

特に外国籍の方を共有名義に加えるのは、
より慎重に判断する必要があるという事。

フレンズプロビデントやRL360といったオフショア投資を行っていて
お困りごとがある場合には、
お気軽にご相談ください。

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