珍しくマーケット情報三連発になります。
このブログでは何度となく取り上げているGOLD(金)ですが、
4か月以上続いたレンジ相場をぬけてからというもの
溜まったエネルギーが爆発するかのように
心理的節目である3500ドルを超え、
はやくも3680ドルへ到達してきました。
GOLD
この動きはGOLDだけにとどまらず、
SILVERにも波及しています。
SILVER
ゴールドマンサックスやUBSが年内の目安が3800ドルと言っていましたが、
はやくも到達してしまいそうな勢いです。
それではあらためて、今なぜGOLDが上昇しているのか?
という点に触れておきましょう。
上昇理由
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米連邦準備制度(FRB)の利下げ期待
利下げが近づいているという見方が強くなっており、それが金にとってプラス材料になっています。
利下げがあれば、金の「保有コスト(利子収入を失う機会)」が下がるため、金が買われやすくなります。
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米ドルの減価・ドル安傾向
金は通常ドル建てで取引されるため、ドルが弱くなると、
他通貨を持つ投資家から見て金が相対的に安く(=買いやすく)なります。
ドル安は輸入インフレを通じて物価上昇にもつながりやすく、金へのヘッジ需要を強めます。
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実質金利の低下・高インフレ
インフレ率が高く、名目利率がそれほど上がっていない/上がってもインフレを考慮すると
実質利率(インフレを差し引いた後の利率)が低い、あるいはマイナスになる期間が発生すると、金の魅力が増します。
利子を生まない資産である金ですが、実質金利が低いときは他の利子付き資産との差が縮まるため、
金を持つメリットが相対的に上がります。
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世界的・地政学的リスクの増加
戦争、政治的緊張、貿易摩擦、政策の不透明性など、
先行き不安があるときに「安全資産(safe haven)」として金が買われることが多いです。
そうした不確実性の高まりが、投資家の金への資金流入を促しています。
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中央銀行の金買いの増加
金を準備資産として保有する中央銀行(特に発展途上国や新興国)が、
外貨(特にドル)依存を減らしたり、
ポートフォリオの分散を図るために金を多めに保有する動きがあります。
これが需給のバランスに影響を与えており、上昇圧力の一因になっています。
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投資家センチメントの変化・リスク回避志向
株式や債券のリスクが高まる局面で、
「金などの安定資産で守りを固めたい」という動きが出やすくなります。
また、ETF(上場投資信託)などを通じて金を保有する動きが活発になってきており、
金へのアクセスが以前より簡単になっていることも、資金流入を促しています。
こうしたいくつもの理由によって上昇しているという事でしょう。
では、本題に入ります。
資産として金の現物を購入して保管している方というのは
どこの国にも一定数いらっしゃいます。
・メイプルリーフ金貨(カナダ)
・アメリカンイーグル金貨(アメリカ)
・クルーガーランド金貨(南アフリカ)
・ウィーンハーモニー金貨(オーストリア)
・パンダ金貨(中国)
が世界五大金貨として有名ですね。
その他にも、収集家の間で有名なものとして
・ソブリン金貨(イギリス)
・ナポレオン金貨(フランス)
・旧20円金貨(明治時代の日本)
などが挙げられます。
上記で紹介した有名どころの金貨は非常に人気が高く
プレミアがついて取引されているために
資産価値が高いのはご承知のことかと思います。
また金貨だけではなく、
インゴットを保有されている方も数多くいらっしゃるかと思います。
そうしたGOLDの活用方法を先日知りましたので、
ご紹介しようと思った次第です。
それは、国外(香港)で売却するというもの。
日本では金の持ち出しにはもちろん規制がかかっています。
それは、純度90%以上の金地金を1Kgを超えて持ち出す場合は、
関税に申告する必要があるというもの。
裏を返せば、純度90%以上の金地金で1Kgを超えなければ
申告不要だという事になります。
そして香港側では、
現金、小切手、トラベラーズチェックなどの合計額が12万香港ドル以上は申告が必要となっていますが、
金については直接的は申告規定に記載されておらず、関税対象外なようです。
という事は、
例えば現時点のGOLDが1トロイオンス3680ドルなので
1Kgを直すと約32.15トロイオンスになるので、
現在のドル円レート147円として考えると
約1700万円分を持ち出せるという事になります。
そして香港では金地金などを購入してくれるところが日本に比べ圧倒的に多いのもポイントです。
HSBC銀行など香港の銀行口座を保有しているのであれば
売却した明細を提出して入金できたとのこと。
※どこの店舗でも入金できるのかは不明です。
お問い合わせいただいてもお答えできません。
ちなみにGOLDについて調べていて分かったのですが、
国内で売却する際には購入してから何年経過しているかが重要なようで、
5年以内だと
売却額-(取得額+売却経費)-特別控除50万円
5年以上だと
(売却額-取得額-売却経費-特別控除50万円)/2
という具合に5年を超えているかいないかで大きく税額が変わってくるようです。
さらに、もし取得額を証明するものが無い場合には、
売却額の95%が利益とみなされてしまうという事で
金の延べ棒を後生大事に持っていて売却時に購入額を証明できないと、
とてつもない税金を取られてしまうという事になるとのことですのでご注意ください。
お子さんやお孫さんへ渡す際にもその点に注意が必要ということなので、
金の現物なら何も言わずに相続させてしまえばなんてこと考えても。。。ですね。