先日のシリコンバレー銀行、シグネチャー銀行の破綻や
今後の米国政策金利動向の影響などで下落傾向にある米ドル。
このドル安の流れはどこまで続くのか?というのをチャートから見てようと思います。
上記のドルインデックスチャートを見ると、
上から4本目の青いラインを割り込み
プルバック(反転)した後再下落の動きになっています。
見立てとしては意識しておくポイントは次のラインの100.8辺りですが、
銀行破綻に関していったんの落ち着きを見せているためか
ドルインデックスの下落も落ち着いているように見え、
連鎖破綻などの追加材料が出なければ、
直近23日の長い下ヒゲになっている安値が意識されそうです。
そんなドルの動きを踏まえつつドル円の動きも見てみましょう。
ドルインデックスの動きを見る限りでは
もう少しドル安円高(下落)になっていてもよさそうですが
以前にもお伝えしたように、
赤い太いランが引いてある131円台半ばが
強く意識されているのがわかります。
もちろん日本国内の状況が関係しているわけですが、
2023年度予算案が決定したことも一つの要因ではないかと思います。
内容は2022年度の予算から6兆7848億円増え、
114兆3812億円と11年連続で過去最大を更新。
歳出の内訳はというと
・社会保障費 36兆8889億円(1.7%UP)
・国債費 25兆2503億円(3.7%UP)
・地方交付税交付金 16兆3992億円(3.3%UP)
・防衛費 6兆7880億円(26.4%UP)
・コロナ、物価高予備費 4兆円(20%DOWN)
・防衛力強化資金繰入 3兆3806億円
・ウクライナ予備費 1兆円
・その他 20兆6742億円
今回目立ったのは1兆4192億円と26.4%アップした防衛費。
そして、今年2月に防衛費の増額の財源を確保するためという名目で
閣議決定され新設された防衛力強化資金。
単純に防衛費が約5兆円増えたように思えるのですが違うのでしょうね。
ちなみに歳入は、
・税収 69兆4400億円(6.4%UP)
・新規国債 35兆6230億円(3.5%DOWN)
・税外収入 9兆3182億円(71.4%)
という内容でした。
3.5%減少したとはいえ、
35兆円もの国債が発行されるわけですね。
それではいつものように、
そのほかのマーケットも見ていきましょう。
まずは株式市場。
NYダウとS&P500については前月末と同水準になっていますが、
今回の下落で一番売り込まれていたNASDAQについては切り返しているのが見て取れます。
全体的に相当な買い支えが入っているのかもしれませんが
これを見ても破綻の影響は今のところ軽微だったということでしょう。
また、ドルの動きで影響を受ける
一時2000ドルを超える急上昇を見せたものの
そのまま上昇とはいかず、
1900ドル半ばでの動きになっています。
もう少し見直し買いが入ってきてもよさそうですが、
思いのほか弱い動きです。
そして、景気の影響を受ける原油も見てみましょう。
リセッション予測で急落し赤い太いラインを目指すかと思われていた原油は
地政学リスクもあって急激な切り返しを見せています。
チャートを見る限りでは冒頭で紹介したドルインデックスのチャートにもあったように
プルバックを起こして再度下落するようにも思えますが、
一部ではオイルショックが近いとの話が出ているため
今後の動きに注意が必要かもしれません。
クレディスイスに関しては、UBSが救済することが決まり
世界的な金融危機の懸念は後退している状況ではありますが
当面は予断を許さない状況が続くと思います。
いつの時代もリスクヘッジは重要なのは変わりなく、
今できることをやっておくしかないということで、
国内だけに資産を保有することは相当なリスクであることは間違いありません。
可能であれば複数、難しければ一つでも良いので、
海外の銀行口座を保有しておくことは重要です。
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