2020年6月30日、香港では「香港国家安全維持法」が施行されました。
2019年の大規模デモ、そして国家安全維持法の施行を受けて、
「香港から資産が流出している」
「香港で投資を続けて本当に大丈夫なのか?」
といった不安の声を耳にする機会が増えています。
弊社でも、香港のIFAで契約した証券やHSBC香港の口座について、
このまま保有し続けて問題はないのか?
というご相談をいただくことがあります。

香港から資産は本当に流出しているのか?
結論から言うと、
「将来にわたって絶対に安全」と断言することはできませんが、
少なくとも国家安全維持法施行から数か月経過した現時点では、
香港の金融機能は大きく変わっていません。
実際に、
- 香港のIFAは通常通り営業を継続
- 弊社提携IFAも業務内容に大きな変更なし
- コロナの影響で来訪者は減少しているが業務は通常運営
といった状況です。
また、仮に香港のIFAで契約したとしても、
契約先が香港籍以外の保険会社であれば影響は限定的
ですし、
仮に香港籍の保険会社であったとしても、
国家が個人の契約権利を一方的に押さえるようなことが起これば、
国際問題に発展する可能性が高く、現実的とは言えません。
HSBC香港は今も問題なく使えるのか?
HSBC香港についても同様です。
現在はコロナの影響により、
・新規口座開設は一時停止
・既存口座はこれまで通り利用可能
という状況になっています。
さらに朗報として、
2020年11月よりHSBC香港では26の基本サービスが無料化
されました。
これは以前の記事でもお伝えした通りです。
HSBC香港「26のサービス無料化」の一例
具体的には、
- 海外HSBC宛ての送金
- 海外銀行発行の小切手現金化
- 香港内銀行発行の銀行手形の現金化
- 外貨での入出金
- 電信送金の受取
などが含まれています。
日本ではコスト見直しの名のもとに手数料が上がる一方なので、
この動きは真逆と言えますね。
「資産流出」とは逆のデータも存在する
2020年、シティーバンクの調査によると、
1,000万香港ドル(約1億4,000万円)以上の流動資産を保有する富裕層は
前年より22%増加
し、
香港人口の8.4%にあたる約50万人
に達したと報告されています。
さらに、
その富裕層の資産中央値は70%増というデータもあります。
「資産が逃げている」というイメージとは、
必ずしも一致しない結果ですね。
為替から見る香港の実情
次に注目したいのが為替です。
下は米ドル/香港ドル(USDHKD)のチャートです。

この通貨ペアは、
米ドルと香港ドルがペッグ制
により、
7.75〜7.85
という非常に狭いレンジで推移します。
上に張り付いている状態は
米ドル優位(米 > 香港)、
下に向かう動きは
香港ドル優位(米 < 香港)
を意味します。
一時はレンジ上限まで米ドルが強くなっていましたが、
現在はそこから下落しています。
為替は実体経済を映す鏡でもあります。
この動きを見る限り、
マーケットは香港を「すでに危機は織り込んだ」と評価している
と考えることもできます。
結論:過度に恐れる必要はない
香港を取り巻く環境は確かに変化しています。
しかし、
・金融機能は今も維持
・銀行もIFAも通常稼働
・富裕層は減っていない
・為替も安定
という事実を見る限り、
「今すぐ香港投資が危険」という状況ではありません。
むしろ大切なのは、
一つの国・一つの銀行・一つの情報に依存しすぎないこと
です。
為替や海外投資について、
・自分のケースはどうなのか
・今後どう判断すべきか
気になる点があれば、個別でのご相談も可能です。












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