Beneficiary(受益者)を設定しましょう

私達は毎日のように海外投資をされている方々のサポートをさせていただいておりますが、できればやりたくない仕事というものがあります。

それは、やはり人の死に関わる手続きなのですが、場合によっては途方に暮れるほどに時間が掛かり、更にお客様はそれに伴う出費を強いられることとなりかねません。

Beneficiaryを設定しよう

実はこれらの負担はある手続きをしておくことでかなり軽減することができます。それは今回のタイトルでもある「Beneficiary(受益者)の設定」です。
簡単に言えば、契約者が亡くなった時の受取人のことなので、当然ですが契約者≠受益者です。この間違いが意外なほど理解されていない方が多く、契約者の方へ受益者を設定しましょうと促すと「わかりました、では私でお願いします!」という返事をいただくことがことのほか多いです。

過去最大のサポート時間

過去に私の担当した最も時間のかかった案件は、このBeneficiaryに絡む案件です。

受益者が未設定の状態でご契約者様がお亡くなりになってしまい、またそういうときに限って相続することになった方が日本から30時間程掛かる場所にお住まいでした。メールだけでのやり取りで済めばよかったのですが、メールだけでは埒が明かず直接電話で話をして説明することになり、時差の関係でなかなかお互いのスケジュールが合わないなど、そんなこんなが重なったこともありましたが、全ての手続きが完了するまでに丸1年要してしまったのです。

契約者が死亡した場合の手続きはプロバイダによって、また商品のタイプによっても異なりますが、少なくともBeneficiaryを設定していれば多くのプロセスを省略できる為、時間とコストを大幅に圧縮する効果があるのです。

契約者が死亡した場合の必要書類

プロバイダーによって多少必要な書類が変わってきますが、RL360の場合はこのような書類が必要になります。

・被相続人のFORM OF DISCHARGE
・被相続人の死亡届
・被相続人の全部事項証明
・受益者のAutomatic Exchange Of Information
・受益者のパスポート(身分証明書)
・受益者の運転免許証(住所証明書)
・受益者の直近三ヶ月の通帳明細コピー(要銀行のロゴ)
また、受益者を設定していた場合には上記で済みますが、設定していない場合には相続人である証明が必要になるのに加えて海外の裁判所で証明する必要があり、書類を公印確認(アポスティーユ)しなくてはなりません。それにも相当な費用と時間がかかります。

アポスティーユ

ハーグ国際私法会議で締結された外国公文書の認証を不要とする条約[注 1]が定めているもので、駐日領事による認証に代わり公文書外務省公証人役場等が実施する付箋による証明のこと。(ウィキペディアより引用)
あと簡単なところでは、通帳の明細コピーについては原則として銀行のロゴが必要です。
今回私がサポートした方が指定した銀行には通帳が無く、またオンライン明細にロゴが無かった為、プロバイダーに何度も事情を説明して何とか手続きが出来ました。

具体的にイメージすることは難しいかもしれませんが、海外の裁判所を通すことになると言われればそりゃあ大変だ!

って、思うでしょう?

でも、そういうことなんです。

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